つっぴ君と 春のおみやげ

つっぴ君が大学生の時、もう夜だというのに急に「これから行くねー」と電話がかかってきたことがありました。もう9時は回っていたと思います。
現れたつっぴ君は家の前に車を止めると「おみやげ」と言ってトランクを開けました。

中には、トランクにいっぱいの花、ストックが入っていました。

大学のお友達と千葉へ旅行に行って、摘み放題の畑でたくさん摘んできたと言うと「花だから早く持ってきた方がいいと思って」と、どんどんトランクから出してくれました。私一人では受け取りきれず、母も庭に出てきて「まぁ!まぁ!まぁ!まぁ!」と大喜びでした。
そしてつっぴ君は「じゃ!」と帰って行ったのです。

私は喜ぶよりも、もう夜だし、急だし、お花は摘みたてで本当に元気がよく、露地物だけあってお花屋さんで見るものより大きくて、しかも抱えきれないほどいっぱいで、ただびっくりするばかりでした。


車でフェリーに乗って行ったの、と聞いていた旅行、最近、写真が見つかりました。白いカローラに乗っている写真、フェリーのデッキでお友達と一緒の写真、植物園のようなところや海岸も訪れています。
そして摘み放題の花畑を歩くつっぴ君の姿も写真に残っていました。


あの時は、気がつきませんでしたが、家にやってきたつっぴ君はいつもより、うきうきしていました。きっととっても楽しかったのでしょう。
とっても楽しかったから、たくさんお土産持って帰ろうと思って、いっぱいお花を摘んで、すぐに渡そうと思って、家に帰る前に寄ってくれて、私と母がびっくりする姿にきっと満足して帰って行ったのだと思います。

楽しい旅行をありがとうございました。