つっぴ君と たくさんの思い出

つっぴ君は、去年の今日、亡くなりました。最後の入院から家に戻って5日目のことでした。 夕食を終えてしばらくすると、つっぴ君の呼吸が突然速くなりました。私は訪問のお医者様に連絡をし、義父と駆けつけた母と一緒にお医者様の到着を待ちました。顔をの…

つっぴ君と ちょっとしたミラクル

つっぴ君は、人を驚かせるのが好きでした。こっそり準備をして、そっと仕掛けをして、誰かが喜んだり驚いたりするのを見るのが好きなのです。お礼を言われても「うんうん」と生返事みたいに聞き流すのですが、後で「すごいねぇ。さすがだねぇ。」と褒めると…

つっぴ君と 初めてのお盆

つっぴ君は、この夏、初めてのお盆を迎えました。 真新しい秘密基地は、お盆仕様に整えられ、お供えも並べられました。頂き物のお盆の提灯も、水玉模様を走馬灯のように壁に天井に浮かべていました。真菰だとか藁だとかほおずきだとか蓮の葉を模した紙などで…

つっぴ君と この夏のお出かけ 2

つっぴ君は、9日、ワールドハピネスへ行ってきました。 家を出る間際まで、せっかくちいちゃくなったのだから壷ごと一緒に出かけようか迷ったのですが、万が一にも迷子にしてはいけないと、ペコちゃんバッジをバッグにつけて出かけることにしました。 お目…

つっぴ君と この夏のおでかけ

つっぴ君は、子供の頃、夏休みには田舎へ帰っていました。お母さんの里の宮城か、お父さんの里の山形でした。 ある夏の帰省の際、つっぴ君の乗った車は交通事故に巻き込まれてしまいました。つっぴ君はおでこかどこかを切ってしまい、救急車に乗せられて病院…

つっぴ君と 今年の夏休み

つっぴ君は、今年の夏は忙しそうです。主役を務めなければならない行事もありますし、暑いのは嫌いとは言っていられないようです。 今日で7月も終わります。しばらく、つっぴ君はお休みに入ります。時々、顔を出すかもしれませんが、夏休みから秋休みまで、…

つっぴ君と 夏休み

つっぴ君は、渋滞や混雑が大嫌いでした。会社のお休みも、なるべく行楽シーズンを外してとっていました。 なので、どこかへお出かけというときには、桜なら咲いていなかったり、紅葉ならまだ青々していたりしていました。毎年でかけた山形へのお墓参りも、お…

つっぴ君と 通販の誘惑

つっぴ君は、深夜番組が好きでした。一人、夜更かしして観る番組のなかには通販番組もありました。 オリンピックのような量販店に行くと、つっぴ君は時々挙動不審になりました。エスカレーター脇にあるうさんくさい「便利グッズ」コーナーに吸い寄せられるよ…

つっぴ君と 信じられない妻の食生活

つっぴ君は、甘いものも好きでした。 とは言っても、チョコとうまいぼうなら、うまいぼう、おはぎとベビースターなら、ベビースターでした。ですから全てにおいて甘さが第一義である私の好みは理解しがたい部分もあるようでした。 最もつっぴ君が驚いたのは…

つっぴ君と 夏のお出かけ

つっぴ君は、暑いのが苦手でした。夏バテするとかということではなく、人一倍暑がりだったからです。 エアコンの効いた室内で、ごろごろ過ごすのが好きでした。 帰宅すると、たまに冷えたビールを飲むのが好きでした。 アルコールを止められてからは、帰り道…

つっぴ君と 世紀の天体ショー

つっぴ君は、天文学が好きでした。 時々、天文学の本を買ってきていました。本棚や、鞄の横に置いてある天文学の本を「貸してー」と言うと「ええで」と読ませてくれました。「面白かったー」と返すと「うん」と答え、「よくわからなかった」と返すと「おにい…

つっぴ君と 旅立つローバー

つっぴ君は、ローバーこそ生涯をともにする車と決めていました。何故なら会社が倒産したみたいだったからです。買い替えようにも値もつかないと言っていましたが、何より気に入っていたことは確かでした。 そのローバー君、本日ドナドナされてゆきました。購…

つっぴ君と 不二家のペコちゃん

つっぴ君は、高校時代、通学のバッグにペコちゃんの缶バッジをつけていました。 私たちの高校は、とても自由な校風でした。文化祭の時には軍服姿やヤクルトのおばさんの制服姿の生徒もいました。普段でもアロハシャツにモヒカンの生徒もいました。その中で美…

つっぴ君と 文化祭3

つっぴ君は、ある日、近所の高校の文化祭へ行くと言い出したことがありました。 数年前のことでした。商店街に貼ってあった近くの高校の文化祭のポスターを見つけたつっぴ君は「文化祭、行くで」と言いました。私は小学生の頃よく遊びに行った高校の文化祭で…

つっぴ君と ちゅうぼうS

つっぴ君は、子供が転げ回ってムキになって遊ぶ姿を見るのが好きでした。「あほーやのぅ」と言いながら、飽きずに眺めていました。 でも、それは小学生までの話でした。 つっぴ君は中学生男子には非常に厳しい態度で接していました。特に男子だけでつるんで…

つっぴ君と お買い物のおつきあい

つっぴ君は、お買い物には必ずついてきてくれました。ただ夕方、近所の生協に行くのでも「へーい」と返事をすると、そそくさ起き上がり付いてきてくれました。 スーパーには魅力的な商品がたくさん並んでいました。でも、つっぴ君が「おお!」と胸をときめか…

つっぴ君と ちびっこたち

つっぴ君は、子供が転げ回ってムキになって遊ぶ姿を見るのが好きでした。「あほーやのぅ」と言いながら、飽きずに眺めていました。 近所の小学校が校庭を解放していた頃、思い立ったように子供が遊ぶのを見に行ったことがありました。両手で抱えたボールを、…

つっぴ君と 国民の義務

つっぴ君は、選挙が好きでした。欠かさず投票へ行き、夜は選挙速報に釘付けでした。 日曜日、ゆっくりお昼を済ませて家を出ると、投票所までは歩いてほんの数分でした。その道のりでは、同じような年頃の夫婦連れが同じ場所目指してぷらぷら歩いているのと一…

つっぴ君と 花火大会

つっぴ君は、しばしば花火大会へ行きました。へそ曲がりのつっぴ君にしては珍しいことでした。 数年前まで、裏を流れる川の15分ほど川下で毎年花火大会がありました。隣駅まで行けば夜店も出ていました。この近所からでもよく見えるので、土手にはずいぶん…

つっぴ君と ぴっかぴかマシーン

つっぴ君は、整理整頓が好きでした。 会社で使っていた私物の中に、黒いトレイがありました。引き出しに入れて、文具類をきれいに収納するためのものです。つっぴ君はこのトレイを買うために、あちこち文房具屋さんを巡っていました。ハンズでつっぴ君がこの…

つっぴ君と 肉食系大盛り

つっぴ君は、お肉類が好きでした。 それではステーキが大好きかとか、しゃぶしゃぶやすき焼きの食べ放題に行きたがるかというとそうではありませんでした。 コストパフォーマンス面から、お肉食べ放題より長崎ちゃんぽんやCoco壱番屋でおなかいっぱいになっ…

つっぴ君と 不変の視聴行動

つっぴ君は、テレビが好きでした。 朝起きればすぐテレビ、帰宅すれば即テレビ、夜も目が覚めている限りテレビでした。朝はテレビだけ起きて観ているような音量で点けて、二度寝をしていました。うるさいので消すと「起きれないやろー!」と怒りました。家に…

つっぴ君と 水道橋界隈

つっぴ君は、プロレスが好きでした。10年くらい前は、よく観戦に行っていました。 ドームやアリーナの大きな興行も観に行きました。猪木の引退試合や、女子プロの合同イベントとか新日の何かなどです。横浜文体や川崎体育館にも行きました。全女の金網デス…

つっぴ君と 取説の類い

つっぴ君は、何か作業をするときは、きちんと取説を読むタイプでした。不明な点があると、資料を探して自力で解決をしていました。 Macを初めて買った頃、時代はまだテレホーダイでした。つっぴ君が何かをどうにかして、我が家でもインターネットを楽しむこ…

つっぴ君と 不思議な仲間たち

つっぴ君は、高校3年生の時、私と同じクラスになりました。 私たちのクラスは何故か2週間毎に席替えがありました。くじびきでした。2学期の席替えでつっぴ君は私の斜め前の席になったのでした。 同じ美術部にいて2年の時に同じクラスだった私の友人によ…

つっぴ君と バラエティのお作法

つっぴ君は、バラエティ番組が好きでした。とんねるず、ダウンタウン、99はもちろん、ジャニーズ系、モー娘。系バラエティも欠かさず観ていました。 平日に休みをもらうと、朝のニュースバラエティから「笑っていいとも」「ごきげんよう」昼の情報バラエテ…

つっぴ君と 怖い話

つっぴ君は、超常現象、心霊現象などを扱うB級バラエティ番組が大好きでした。ドラマも好きで「世にもなんとか」とか「本当にあったなんとか」というタイトルのドラマは、毎回楽しみにしていました。 怖い話で有名なタレントの話はたいてい聞いていました。…

つっぴ君と 意外な弱点

つっぴ君は、あんなにこんがり小麦肌でありながら、肌は弱かったのでした。ちょっとした刺激で赤くなったり、小さな傷の跡がいつまでも残ったりしていました。 ある日、私はつっぴ君の腕に尋常ではない盛り上がりができているのを見つけました。何か大変な皮…

つっぴ君と 観劇のご趣味

つっぴ君は、演劇を観るのが好きでした。スカパーが家に入ると、早速「シアターチャンネル」で観劇を楽しんでしました。 高校時代は「目の前で演技なんかされても気恥ずかしい」と、演劇には否定的でした。でも、いつのまにか三谷幸喜が好きになり、「大人計…

つっぴ君と カメラ=万年筆

つっぴ君は、カメラが好きでした。大きな一眼レフのカメラを持っていました。 大学時代に使っていたカメラはNikonでした。つっぴ君は「カメラはNikon!」と言って、他のメーカーの物を買う気は全くないようでした。カメラを構えている写真も残っています。私…