つっぴ君と AKIRA

つっぴ君は、高校時代「マンガは読まない」と言っていました。
なので、私はつっぴ君は本当にマンガも読まないし、アニメにも興味がないのだと思っていました。


大学生になって、ある日つっぴ君は大きな厚い雑誌のようなものを持ってきました。「AKIRA」の単行本です。話題作だったので私も読みたかったのですが、つっぴ君が持っているとは思いもよりませんでした。つっぴ君は細密な建物やバイクなどの描写と、サイバーパンクなストーリーが気に入っていたようでした。なかなか単行本が出ないと嘆いて、本屋に並ぶヤングマガジンを「あれ、読むと先がわかっちゃうし・・・」と恨めしそうに眺めていました。


映画化された時は、有楽町の日劇まで観に行きました。一番大きいスクリーンで観たくて、そこに決めたのです。パンフも買って、サントラも買いました。確か、色も音も動きも、それまでにはないクオリティだったのだと思います。マンガが完結しないうちに映画化されたので、ラストについてはあれこれ話をした覚えがありますが、ではマンガはどう終わったのかというとわかりません。つっぴ君が飽きて買わなかったのか、私が飽きて借りなかったのかだと思うのですが、読んでいないのです。でも、その後も、つっぴ君は「MEMORIES」「スチームボーイ」と大友作品を追いかけていました。


大友克洋ブームも落ち着き、ジブリ押井守に興味を移したつっぴ君でしたが、食玩ブームが訪れると大友再燃のようでした。「AKIRA」と「スチームボーイ」は今、コレクションケースに並んでいます。


結婚後、あれこれ話をしているうちに、ドカベンだけじゃなくて「野球狂の詩」も読んでたらしいことや、小学生の時には「トイレット博士」も好きだったし「サイクル野郎」にも憧れていたことがわかりました。食玩コレクションの中には「釣りキチ三平」のシリーズもあり「これ、何?」と聞いたら「君!魚紳さんを知らんのかっ!?」と驚かれた上に叱られました。