つっぴ君と 天然

つっぴ君の中学時代は、つっぴ君が話してくれたことぐらいしかわかりません。
でも卒業アルバムを見るとわかることがあります。それは1年生の写真と3年生の写真では、ずいぶん背が伸びていること、ずいぶん顔立ちが大人っぽくなっていること、それから髪が天然パーマになっていることです。


1年生の写真は、すでに背は高かったようですが、顔の輪郭は子供っぽく丸みがあって、前髪がまっすぐおでこにかかっていました。3年生の写真では、背はぐんと高くなり、顔はほおの丸みが消え、私が会った高校生の頃とよく似た面差しになっていました。そして髪も、私が会った頃のくるくるした天然パーマになっていました。
つっぴ君によると、中学生になってしばらくしたら、急にくるくるし始めたのだそうです。パーマをかけたい同級生にはうらやましがられたそうですが、つっぴ君は全然嬉しくなかったということでした。私たちが中学生の頃は、天然パーマや茶髪は証明書のようなものを持たされた記憶があります。つっぴ君もそういう苦労をしたのでしょうか、あるいは部活のためでしょうか、坊主頭の写真もよく残っています。


1年生から3年生まで、変わらないところもありました。色の黒さと、いつも帽子をかぶっているところです。
色黒なのは子供の頃からずーっとで、小学生の頃の日焼け大会では無敗の王者だったそうでした。つっぴ君は出たくなくても、ご両親におもしろがってエントリーされては勝利を収めてしまっていたそうです。
帽子も、体操着の写真では野球帽、制服の写真では学帽を必ずかぶって写っていました。大人になってからのつっぴ君は帽子は嫌いでした。入るサイズのものがなかなかなくて、ようやく見つけて買っても、一瞬くらいしかかぶってくれませんでした。小学校から高校の頃しばらくまで、つっぴ君がきちんと帽子をかぶっていたのは、たぶんご両親にきつく「かぶれ!!」と言われていたからではないかなぁと思います。


高校時代、私が初めて見たつっぴ君は「どろだらけで、びしょびしょ」でした。あの人は何故あんなにどろんこで廊下を歩いているんだろうと、その時の私は思いました。後日、教室にいるつっぴ君を見て「あ、どろんこだったんじゃないんだ。日焼けしてるんだな」と気づいたのですが、実際は日焼けでもなくて、地黒だったのでした。
びしょびしょだったのも、お友達と汗びしょびしょで遊んでいるところだったようです。

初めて見たとき、どろだらけでびしょびしょの、にこにこ楽しそうなつっぴ君は、大股で廊下を通り過ぎて行きました。