つっぴ君と 伊集院光さんのお土産

つっぴ君の好きな伊集院光さんのテレビ番組の中に「ゲームWAVE」というゲーム番組がありました。夜遅い放送でしたが、夜型のつっぴ君はもちろん、私も一緒に毎週楽しみに観ていました。


その番組でNintendo64の「どうぶつの森」が紹介されました。
最初に出た64の「どうぶつの森」では、同じ村にプレイヤーがそれぞれ自分の家を建てることができました。同時プレーこそできませんが、お手紙を出し合ったり、掲示板に張り紙をしたりすることもできました。
番組の中で伊集院さんは「帰宅して、どうぶつの森を始めると、村の掲示板に『冷蔵庫にプリンがあります』っていうリアルな伝言があるんだ」と、ご夫婦二人で楽しく遊んでいるエピソードを披露したのです。その一言で「どうぶつの森買う!どうぶつの森やる!」と私は奮起しました。つっぴ君は「まだ売ってればのぅ」という冷めたポーズを崩しませんでしたが、その週末にはゲーム屋さんへ車で乗り付け「どうぶつの森」を手に入れました。


早速二人で始めました。この時のつっぴ君の名前が「ふぇるみ」です。


ふぇるみ君は最初から、生まれながらのヒールぶりを遺憾なく発揮していました。
まずは、たぬきちの借金を返済すべく、梨園を作り、梨を拾っては売り、拾っては売りの「金の亡者プレイ」に熱中しました。また、村の住民の周囲をただ走り回ったり、繰り返し体当たりをして嫌われたり、花畑を荒し回ったりの「無法者プレイ」も楽しんでいました。
その被害は私にも及びました。ゲームを起動して家のドアを開けると、私の家はゴミにぐるりと囲まれていました。また、ちょっと見通しの悪い木陰を歩けば、ふぇるみ君の仕掛けた落とし穴に落ちました。化石を掘りに出かけると、本来化石が埋まっている場所にはゴミが埋められていました。
村の仕立て屋さんでは、デザイン画が描けました。つっぴ君は「金」とか「死」とかを描いて地面に敷いたり、家の前に立てかけたりしていましたが、そのうち上手な「うんち」の絵を描き上げ、「うんち」の服を着て、「うんち」の帽子をかぶって、「うんち」の壁紙の部屋でベッドの上をごろごろごろごろ転がり回っていました。


狼藉者のふぇるみ君は、日にちを操作して季節を早回しにして、魚や虫も追いかけ回していました。日にちを早くすると村には雑草が生い茂るのです。私は毎日草むしりに忙殺されました。ふぇるみ君に抗議をすると「おにいさんは夜しか遊べないんや。昼間しか出てこない虫とか魚は捕れないんや。だめっていうなら、もう「どうぶつの森」やらない!」と取りつく島もありませんでした。


64からGCにハードが移り、大好きな宮本さんの手紙を手に入れると、つっぴ君は「どうぶつの森」に飽きてしまいました。一緒に仲良くほのぼのお手紙のやりとりをするという私の夢は叶いませんでしたが、同じゲームを夢中で遊んだ「どうぶつの森」は、とても楽しい時間をくれました。


いじわるプレイの他には、つっぴ君はとたけけのライブが好きでした。夜の駅前広場でギター片手にとたけけという犬が歌うのです。ふぇるみ君が見に行けば私が後ろで、私が見に行けばつっぴ君が後ろで、一緒にとたけけの歌を聴きました。ふぇるみ君は「けけらいだー」が好きだったかなぁ。


http://www.youtube.com/watch?v=QY3mWmPxFRE