つっぴ君と 追悼三沢選手

つっぴ君は、プロレスが好きでした。馬場さんが好きで、ファンクスが好きで、ハンセンが好きな全日派でした。
身体はなにしろ大きいこと。試合時間はめいっぱい、時間切れを恐れないこと。怪我なんかでは休まないこと。「それがプロレスや」と、つっぴ君は言っていました。
技は受けてこそ。それは信頼関係あってこそ。「それがプロレスや」と、つっぴ君は言っていました。


馬場さんがジャンボ鶴田選手とタッグを組んで外国人選手と戦う試合を観て育ったつっぴ君には、三沢選手は「若手」にみえていたようでした。本当は自分より年上なのに、いつまで経っても「まだまだやのぅ」と言っていました。
一つには、三沢選手が二代目タイガーマスクだったためでしょう。「三沢は二代目タイガーマスクの中身」と思っていたようです。
また、上にいる選手が、馬場さん、鶴田さんと重鎮すぎたこともあるのかもしれません。「三沢は馬場さんの子供」とも思っていたようです。


そんなつっぴ君ですが、三沢選手のバラエティ番組での活躍は高く評価していました。私が観たのは「リン魂」でなんちゃんを鍋でもてなす三沢選手、幼稚園児相手にかぶの被り物で綱引きをする三沢選手でしたが、つっぴ君が観たのは「下ねた炸裂」の三沢選手だったようでした。
つっぴ君はテレビやラジオで良質な下ねたを披露する男性タレントをひいきにする傾向がありました。例えば福山雅治がそうでした。「下ねたに躊躇がない」という理由でお気に入りで、ラジオを楽しみに聞いていました。どうやら「男同士の話が出来る奴」というあたりで好感度があがっていたようでした。三沢選手も「一緒に男同士の話がしたい」プロレスラーとして、存在感を増していたのではないかと思います。


プロレスを観るようになったいもうとの一人が、全日派で三沢選手を応援していました。全日をほとんど観なかった私と違って、いもうととは全日話がいろいろ出来るのが、つっぴ君はとても楽しかったようです。そういう時は「下ねた社長」ではない三沢選手のことも話していたようでした。三沢選手の試合の話に絡めて「君は『馬場さんが泣いています!馬場さんが泣いています!』とか知らんやろー」と、よくわからない自慢をされたりもしました。いもうととの全日三沢選手話を聞いていると、「まだまだ」と言いつつ、ずいぶん熱心に観ていること、ずいぶん応援していることが、よくわかりました。


もし天国みたいなところがあって、つっぴ君が三沢選手に会えたとしたら、まずは「男同士の話」じゃなくて「プロレスの話」をしていてほしいなぁと思います。


ご冥福をお祈りいたします。


大槻ケンヂさんとも鍋していたみたいです。
http://www.youtube.com/watch?v=iDLDFDkeRHk