つっぴ君と Mac 2

つっぴ君は、お仕事でMacを使っていました。新しくMacを導入してのわからないことだらけの毎日は、楽しいことも多かったようでした。


ある朝のことです。つっぴ君の職場でも、ぽつぽつ同僚の方が出社してきていました。各々がパソコンを起動する中「大変だ!」という声があがりました。新しく入ってきたMacでトラブルのようでした。慌てて、つっぴ君もそのパソコンを囲む輪の中に加わりました。
昔のMacは起動すると、画面に今のフォルダーのアイコンのような顔が現れ「Wellcome to Macintosh」と挨拶をしてくれていました。新年なら新年の挨拶、誕生日なら「Happy Birthday」とお祝いを言ってくれました。それはそういう仕組みになっていたのです。ところが、この朝つっぴ君が見たものは違いました。
その起動画面には目をつむった顔と「ただいまMacintoshは大変疲れております。起こさないでください」というメッセージがあったのです。


「これはいったいなんだ!」つっぴ君をはじめ同僚の方々は驚愕しました。疲れているというからには昨日作業しすぎたのでは?とか、今も裏で何か処理しきれていない作業が続いているのでは?と口々にMac起動拒否の原因を推理するなか、つっぴ君はマニュアルにこのエラーメッセージを探しました。ありません。電源落としていいものだろうか?いや、ダメなんじゃないか?と更に話し合い「カスタマーセンターに電話しよう!」と決まりました。さぁ、問い合わせをと受話器を取った、その時、一人がもしや!とMacを操作してみました。すると・・・


「あのね、デザイナーさんが作った壁紙だったの。起動画面に出てくるようにしてあったの」
それはデザイナーさん渾身の力作、偽起動画面だったのでした。もちろん、こんな大騒ぎにするつもりで作ったわけではありませんでした。もちろん、その方が怒られることもありませんでした。朝のひとときの珍事件として決着したのは、ひとえにその偽起動画面の出来が「ものすごくじょうずやったんや!!」からだったようでした。


あまりに「すごく上手だったんや。そっくりだったんや」と言うので、是非その壁紙をもらってきて家でも使おうと言ったのですが、つっぴ君はもらってきてはくれませんでした。それからしばらく家のMacの起動画面は私が描いた拙い自画像になってしまいました。




古いMacの起動画面です。私は顔があったように記憶していたのですが、違いますね。


今日は奥多摩へ行ってきました。榎峠、雷電山、三方山などでした。

ワイヤープランツみたいな愛らしいツタがたくさん育っていました。