つっぴ君と カレンダー

つっぴ君はお仕事でカレンダーを作っていたことがあります。

ある日、母が玄関に下げるカレンダーのいいのがないと話すと、「僕が作ってるの持ってきます」と持ってきてくれました。とても有名な方の作品のカレンダーで、母はたいそう喜んで「すてきねぇ、すてきねぇ」と早速玄関に下げるというより飾りました。でも、つっぴ君は今ひとつの顔でした。
というのは、その作家さんじゃないカレンダーを、本当は作りたかったらしいのです。


カレンダーは最初は、また別の作家さんの作品で企画されていたそうです。ところが著作権料などで折り合いがつかず、作家さん探しから振り出しに戻ってしまったつっぴ君、ネットで、これがいいなぁという作家さんを探し出しました。早速、カレンダーで作品を使わせていただきたいと連絡をすると「ありがとうございます!ぜひ、よろこんで。」と快い返事をもらえました。その上「おいくら、お支払いしたらよろしいのでしょうか?」・・・いえ、こちらがお支払いするのですが・・・。
作品も作家さんも気に入ったのでしょう。つっぴ君は、すっかりその作家さんで作るつもりだったのですが、クライアントさんには別案を採用されてしまったのです。


本採用となったカレンダーはたいへん好評で、その後シリーズ化されました。よいお仕事をしたのだと思いますが、もうお一人の作家さんのことが、つっぴ君はちょっと心残りだったようです。
どんな作品だったのか聞くと「自然の素材で人形を作って、それを自然の中で撮影するの」のような説明をしてくれました。その方のものではないかなぁと思う絵はがきも見つかりました。少し意外なくらいかわいらしい絵はがきですが、北海道でニングルの森に目を輝かせていたことを思うと、本当に気に入っていたんだなぁと思います。



ところで、つっぴ君はお仕事で覚えたことを家でも使ってみたがる傾向がありました。これです。

よりすぐりの写真で作った愛猫カレンダー、たいへんお気に入りでした。