つっぴ君と ウクレレ
つっぴ君は、ウクレレを持っていました。
持っていましたし、抱えている姿も見たことがありますが、何かを奏でている姿は記憶にありません。
そのウクレレをなんとかしようと、楽器屋さんへ行きました。ブリッジというところが浮いてきていると、見学に行ったウクレレ教室の先生に言われたからです。
楽器屋の店員さんはとても親切でした。
鴨じゃないものが郡上ネギをしょって現れたような私を見て、「コレ、ウクレレ」くらいの認識しかないことがズバリわかったのでしょう。
「直したいのですが」と言って渡すと、あらかた直してくれた上で「本当に直すと2〜3万円はかかりますよ。そうすると買った方がいいと思います」と心配そうに言いました。
買い直すのでは根本的に別のストーリーになってしまうので「これから習うので、これでいいです」と答えると「とりあえずは弾けるようにしましたから」と、そのまま返してくれました。お代は無用の心意気です。もちろんチューニングのやらケースやらは買いましたが。
そこで、つっぴ君のウクレレの状態はというと「結構、古いです」ふーん「ずいぶん使ってないですね」うんうん「ブリッジが反っていてネックが反っていて、どこといって大体が反っています」まぁ・・・「フレットもずいぶん摩耗していますね。前のオーナーさんがずいぶん使い込んだんですね」え?
つっぴ君は抱えてはいましたが、奏でてはいなかったのですが・・・。
私の知らない間に、高木ブーさんのようにアロハ着てハワイアンとか歌ってたのでしょうか・・・。もやもや。
かなり古いというのも、そういえば不思議です。新しくはないですが、そんなに昔から我が家にあったとも思えないのです。
これは、もしかしたら、つっぴ君のではないのでは・・・。
でも、まぁ、これでウクレレも習うことにしましたし、つっぴ君が抱えていたことは確かなので、遺志を継ぐ感じはそのままに、練習に励もうと思います。