つっぴ君と 白いカローラ

つっぴ君が免許を取って最初に乗った車は、お父さんの白いカローラです。
運転に慣れるまで好きなだけぶつけていいと言われたつっぴ君は、本当に何かに乗り上げたり、どこかにはまったりしながら腕を磨いていました。


次に乗った車も白いカローラでした。
絶対にカローラを卒業するつもりだったつっぴ君は、ずいぶんお父さんと戦ったようですが「車体に会社名を入れない代わりにカローラで我慢する」という条件を泣く泣く飲んだのです。それ以前の車に会社名が入っていたかというとそうではなかったので、つっぴ君はお父さんの交渉術に負けたとしか言いようがありません。


その次に乗った車は黒いレビンでした。
「ユーノスロードスターがいいのぅ。何色にしようかのぅ」などとカタログを眺めていたつっぴ君ですが「外車なんかだめ!」とお父さんに却下され「マツダだって言ってるだろ!」と反論するも「車はTOYOTA!!」と一刀両断されたのでした。
憤懣やるかたないつっぴ君は腹いせに不必要にいいエンジンを積んだらしく「これで横横走ると、絡まれるんだよー」と言っていました。その時は「怖い思いをしてかわいそうに」と思ったのですが、おそらく売られた喧嘩はそこそこ買っていたと思います。


その次に乗った車が今のローバーです。
この時もお父さんと大喧嘩をしたのですが、自分で買うと言って一歩も引かず、念願の「自分で選んだ好きな車」を手に入れました。
CDチェンジャーとか他にも何かいろいろ積んでいましたし、何年も保つというワックスみたいなものもかけにいっていました。運転も「英国紳士なんだから」などと言い、レビンの時とは人が違ったような安全運転でした。この人はユニオンジャックのシートカバーとかテディベアとか買っちゃうんじゃなかろうかと不安になったほどです。


車を巡ってのお父さんとのバトルはもう一つありました。
毎年お正月に勃発する「しめ飾りを飾る・飾らない」「川崎大師の交通安全ステッカーを貼る・貼らない」「川崎大師の交通安全お守りを下げる・下げない」です。このバトルではつっぴ君が常に勝利を収めていました。何故なら「剥がせば勝ち」だからです。
お父さんはやむなく自転車にステッカーを貼っていました。


基本的に車にアクセサリーをつけることを嫌うつっぴ君ですが、初代・二代目カローラにはぶら下がってたものがありました。

私の熱川バナナわに園土産のバナナです。

免許取り立て、車買いたてのつっぴ君は脇が甘くなっていたのですね。こんなものをぶら下げられても抵抗できなかったようです。



<おまけ>これは2回も私の母に洗濯機で回されたローバーのキーです。