つっぴ君と お出かけ奉行

つっぴ君は、外出に際して常に最悪の事態を想定して準備をしました。
先日、休日奉行ぶりを報告しましたが、あれは長年の試行錯誤の上に完成したお出かけシステムで、最初はああスムーズにはことは運びませんでした。


例えば私が週末にどこかへドライブへ行こうと提案した場合、つっぴ君は「雨なら映画」と返事をしました。これは「週末、晴れならドライブ、雨なら映画」を意味するのですが、私にはそうは聞こえませんでした。「ドライブ行こうよ」「うん、行こう。でも雨なら映画ね」ならば「うん、雨なら映画ね」と答えられるのですが、「うん、行こう。」がないために「ドライブには行きたくないんだ・・・」と受け取ってしまうのです。で、つっぴ君が天気予報をチェックして「じゃ、日曜日ドライブ行くで」と言っても「やっぱ、いい・・・」としょぼくれることになるのでした。
映画に行こうと言えば「混んでるで」と返され「うん、行こう。でも来月頭まで待とう」がないために「観たくないんだ・・・」、京都へ行こうと言えば「泊まれんで」と返され、「うん、行こう。でも連休は外そう」がないために「行きたくないんだ・・・」と、何を言っても全否定な気分でぶーたれるはめになっていました。
つっぴ君はというと「行こう」と言われてそのつもりで考えていたのに「やっぱ、いい・・・」と恨めしそうに言われるわけですから、「さっぱりわからん」と思っていたことでしょう。


つっぴ君は基本的に「はい・いいえ」を口にしませんでした。そして、どこかへ行くなら天候、移動手段、その他がっかり要素を検討し排除した上で出かけたいのです。私が無為無策にわくわく「ここへ行こう」と言う姿は「浮かれ過ぎで、期待し過ぎ」に映ったことでしょう。つっぴ君が熟慮している間に私の浮かれ気分も半分以下くらいにはなっていたので、つっぴ君にとっては、それくらいがお出かけのベストコンディションだったのかもしれません。
そのうち私は「行きたいと言っておくと、いつの間にか行くことになってるぞ?しかも、こちらがいつと言うよりも早く実現するみたいだぞ?」と、気がつきました。それからは「いつか、ここへ行きたい」と言いっぱなしで待機という手法を使って、お出かけの実現を図る戦術をとることにしたのです。これは、早くて確実で、ストレスフリーなとてもいい方法でした。


私たちはずいぶんあちこちお出かけをしました。旅行にもけっこう行きました。つっぴ君はどんな場合も折り畳み傘を忘れず、着替えも1日分は余計に用意していました。しばしば雨にも降られましたし、降雪で帰れなくなりかけたこともありましたが、いつもとても楽しかったです。



日光江戸村の帰りに寄った、わんにゃんパークみたいなところです。犬に大もてでした。

犬と一緒に、あかんべーしています。