つっぴ君と おいしい会津の旅

つっぴ君は 会津で生涯最高においしい餃子と出会いました。


私たちが会津まで見に行った歴代藩公祭は結構有名だったようです。宿がなかなか予約できませんでした。市内を離れれば温泉もあったのですが、朝から行列が見たかった私は市内のホテルに予約を入れました。


初日、ようやくお墓参りやら観光をすませた私たちは、何かおいしいものはないかとホテルの近くをうろつきました。ツアーガイドよろしく、観光と食事は私が仕切っていたのですが、この初日の夕食はノープランだったのです。観光地にありがちなスナック街や市内のメインストリートなども散歩して、結局ホテルの1階の中華料理屋さんに入ることにしました。
ここの餃子のおいしかったこと!!
つっぴ君も私も、あまりのおいしさに言葉もありませんでした。なんとか説明したところで、まず大きい、肉汁たっぷり、野菜シャキシャキ、こんがりという、ごく当たり前の描写になってしまうことが残念でなりません。
こんなにおいしいとわかっていたら餃子しか頼まなかったのに、うっかり麺類なども注文してしまったことが悔やまれました。つっぴ君の初日の感想は一言「この餃子うまい!」でした。


翌日以降はお食事もツアーの中に入っていますという形だったのですが、つっぴ君は市内を観光しながらも目は餃子の看板を探していました。餃子がありそうなラーメン屋を見つけると、つっぴ君はそこでお昼を食べると主張しました。もちろん異論はありません。
ここの餃子のおいしかったこと!!
何故だ?会津は餃子がおいしいのか!そんなこと一度も聞いたことないぞ!?
餃子を食べるつっぴ君の顔は、そう言っていました。


あちこち観光もしました。祭りも見ました。名物料理も食べました。タクシーで運転手さんの喜多方ラーメン話を聞いていた私たちですが、話が終わりかけた時すかさずこう尋ねました。「会津の餃子、すごくおいしいですよね?有名ですか?」「聞いたことないねぇ。宇都宮じゃなくて?」違うのです。市内をうろうろ3〜4件で食べた餃子は、どれもとってもおいしかったのです。運転手さんにはそういう自覚はまったくなかったようでした。


この旅行の後も、時々思い出しては「会津の餃子、また食べたいねぇ」と話しました。宇都宮餃子はあれ以上においしいのだろうかと、日光江戸村の帰りに宇都宮に立寄り、「会津の方がうまい」とがっかりして帰ってきたこともありました。しばらくはあちこちで餃子を食べては「違うのぅ」と、会津の餃子の味を探していたつっぴ君でしたが、やがて「餃子食べるならバーミヤンやのぅ」とお手軽なところで決着していました。


駅前のバーミヤンでいつものように「この価格で、この量、この味。餃子はバーミヤン」と焼き餃子を食べるつっぴ君に、ある時「会津のよりもおいしいの?」と聞いてみました。つっぴ君は「味はねぇ・・・会津」と答えました。