つっぴ君と 筋肉少女帯 

つっぴ君は、最初は筋肉少女帯が好きではありませんでした。その後、好きになってもらえたのは、ひとえに伊集院光さんと「冗談画報」のおかげです。大学に進学して環境も変わり、サブカルみたいなものも受け入れるようになったつっぴ君は、どんどん筋肉少女帯に傾倒していきました。


バンド筋肉少女帯はもちろん、大槻ケンヂさんの書く小説もよく読んでいました。つっぴ君はもともとノンフィクションが好きで、小説は読んでも特に感想めいたことを口にすることはありませんでした。でも、大槻ケンヂさんの小説については、時々内容について話をすることもありました。私は作品の感想を話すだけなのですが、つっぴ君はあとがきもよく覚えていて関連本なども読んでいるらしく、「それはねぇ・・・」と解説やネタばらしをしてくれました。
ある日、つっぴ君が大槻ケンヂさんの小説を手にやってきました。いくつかの短編の中の一つを指すと「これこれ、これ読んで」と言いました。私が本を受け取り読みはじめると、少し離れて読み終わるのを待ち、読み終わったとみると近づいてきて言いました。「いいでしょ!」いい話でした。でも私にはいいけど少し甘いお話に思えたのです。そう答えると、つっぴ君は「ちぇっ」と私から本を取り上げると「もう、知らん」と部屋を出て行ってしまいました。
ふだんは自分の好きなものについて多くを語らないつっぴ君です。今思うと、私ももう少し返事のしようがあったのに・・・と反省しきりですが、その時は思ったとおりを口にしてしましました。また、いつもは私が何かお薦めしても反応の薄いつっぴ君に、「ほら、おにいさんの言う通り」みたいなリアクションをしたくなかったのでもありました。


筋肉少女帯はメンバーが変わったり、レコード会社が変わったり、楽曲が変わったりしていきました。つっぴ君は、ずっとCDを買い続けていました。大槻ケンヂさんとは学年は一つ違いますが、同じ年生まれでした。きっと共感を覚えるところも多かったのでしょう。筋肉少女帯大槻ケンヂさんの変わっていくところや変わらないところが、つっぴ君には理解できたのかもしれません。


ふだんは自分の好きなものについて多くを語らないつっぴ君が、もう一つ「いいでしょ!」とお薦めしてくれたものがありました。岩井俊二監督作品「LOVE Letter」です。たぶん鈴木慶一さんが出演しているから観たのではないかと思うのですが、たいそうお気に召したご様子でした。「いいでしょ!」と言われた私のこの時の返事は「これが大丈夫なら、岩館真理子も読んでよー」でした。




仏陀L」と「シスターストロベリー」が再発売されるそうです。
あー!最初の2枚、絶対買わなきゃ・・・。
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