つっぴ君と 望遠鏡

つっぴ君は 天体観測が好きでした。と言っても、天文部に入るとかではなく、自己流で望遠鏡をのぞくのが好きだったようでした。


中学時代か、つっぴ君はお小遣いで天体望遠鏡を買いました。たぶんお昼をお弁当じゃなくてお金をくれと言ったり、そのお金で大きくて安い菓子パンを買って、残りを貯金したりして買ったのでしょう。時々抱えて出かけたりしたと話してくれたこともありました。何枚にも分けて全体を撮影した写真もアルバムに残っています。宝物だったのだろうと思います。


結婚した時、つっぴ君の荷物に望遠鏡はありませんでした。でも一緒にハンズへ行って、夜には星が光る星座図のポスターを買いました。とても大きなポスターで、フレームに収まり、部屋の一番いい場所に飾られ姿は、新しい家の主のようでした。


ハンズやロフトへ行くたびに、つっぴ君は望遠鏡を買おうか迷っていました。中学時代に買ったときと比べれば、手の出せない値段ではありませんでした。でも「買っても置くところないしのぅ」とか「あんまり使わないしのぅ」と言いながら、値札を何度もひっくり返しては「やーめた」と諦めていました。


中学時代は自分の部屋の真ん中に置いた宝物だったと思います。大人になって、つっぴ君は自分の家を持っていました。部屋もいくつもありました。望遠鏡はきっとどこへでも置けたと思います。でも、つっぴ君は望遠鏡を買いませんでした。「買ってもいいよー」と言えばよかったのかなぁと思います。それでも買わなかったかなぁとも思います。もし買っていたら、今頃ギターの横に並んでいたことでしょう。



国立天文台野辺山です。
私の父に山梨、長野と連れて行かれた中でも、きっと一番嬉しかった場所だと思います。


そういえば、この曲好きでした。カラオケでも歌っていましたっけ。
http://www.youtube.com/watch?v=AxJjsnz0Xng