つっぴ君と 取説の類い

つっぴ君は、何か作業をするときは、きちんと取説を読むタイプでした。不明な点があると、資料を探して自力で解決をしていました。


Macを初めて買った頃、時代はまだテレホーダイでした。つっぴ君が何かをどうにかして、我が家でもインターネットを楽しむことができるようになっていて、23時を過ぎるとMacの取り合いになりました。
その後、時代はADSLになりました。その時もつっぴ君が何かをどうにかして、我が家もテクノロジーの進化の恩恵を受けていました。Macを買い替えたり、無線LANにしてみたり、AirMacを買ったりするたびに、つっぴ君が何かをどうにかしていました。


つっぴ君は、取説を広げ、付属CD−ROMを取り出し、さらに何かを開き、さらに何かをめくりながら、見えない電波と戦っていました。孤独な戦いでした。その間、私はテレビを観たり、猫と遊んだりしては、時々こっそり様子をうかがうだけでした。
なんでも一人で取り組むのが好きで、まして猫の手などは迷惑千万なタイプのつっぴ君には、「手伝おうか?」は最初の一言しか許されませんでした。そのあとは私は「まだかなーなんて思っていません」という様子でじっとしているか、なるべくなら視界に入らない場所で、まるでいないみたいにテレビを観ていないといけませんでした。


会社の方からいただいた、つっぴ君のお仕事の見本の中にはカタログもパンフレットもマニュアルもありました。おさるさんでもわかるように作るには、格好のさるが家にいたつっぴ君でしたが、「基本、こいつ読まない」のではなんの参考にもならなかったことでしょう。


今は、残業までして作った人がいるのに読まないで「水がたまらない!」とか「電源がきれない!」と怒ったりして、本当に悪かったと反省しています。