つっぴ君と 優れた言語感覚

つっぴ君は、たいへん優れた言語感覚を備えておりましたが、いかんせん口数が少なく、その才能は主に「暴言」として発揮されていました。

実家の猫に「下手なロボットみたい」と言ったこともそうですし、私の写真データに「うど似」とキャプションをつけたりするのもそうです。
髪を切れば「引退したバレーボール選手みたい」と言い、その心はと問えば「スポーティーなおばさん」と答えるのでした。


ずいぶん前のことですが、つっぴ君に「10キロ痩せたら10万円あげる」と言われたことがあります。この発言、才能は発揮していませんが、すでに十分に暴言ではあります。私は先払いしてもらって本当に10キロ近く痩せてみせました。すると・・・

「君・・・気持ち悪い・・・」

後日すっかり元通りになった私を見て、つっぴ君はさも得心がいったようにこう言ったのです。


「わかった!おにいさんの好みのタイプは“小太り遺伝子を持っている人”だ」


言い得て妙ですが、酷すぎる。


そんなつっぴ君ですが、キーボードを叩かせれば、その言語感覚を駆使し「暴言」ではない、おもしろい文章を書いていました。
二人の妹は、それぞれ「プロレスエッセイ」だの「パンダトレノとは何か」だのという作品を贈られています。



私に対しては、こうです。ゲームはたぶん「ギレンの野望」です。
つっぴ君のプロレスエッセイをあげたいところですが、きっと叱られるので・・・。