つっぴ君と 不変の視聴行動
つっぴ君は、テレビが好きでした。
朝起きればすぐテレビ、帰宅すれば即テレビ、夜も目が覚めている限りテレビでした。朝はテレビだけ起きて観ているような音量で点けて、二度寝をしていました。うるさいので消すと「起きれないやろー！」と怒りました。家に戻れば、すぐさまテレビを点けました。新聞も広げてご飯も食べているのにテレビは点いていないといけないのでした。夜もどんなに眠くても限界までテレビを点けていました。テレビを消すとつっぴ君のスィッチも切れるかのように眠りに落ちていました。
つっぴ君はバラエティも報道もドラマも映画も好きでした。気に入った番組は何年でも見続けていました。とんねるずさんの番組などは、番組が終わらない限りは見続けるはずだったろうと思います。TOKIOの「鉄腕ダッシュ」も、深夜番組だった頃から一度もよそ見をすることなく見続けていました。プロ野球が開幕してしまうと、日テレ日曜日の１９時のこの番組は、度々中継のためにお休みになりました。つっぴ君は、プロ野球中継を苦々しく見つめながらも「１年通して放送するのは、あの番組は無理やしのぅ」と、TOKIOを労りつつ自分をなだめていました。
何曜日の何時はこれ！という定番が出来上がると、それを変えることはあまりありませんでした。
一時「はなまるマーケット」の岡江久美子さんが大好きだった時期もありました。さばさばした物言いや理解を超えた勘違い、行動と、それを気にかけない精神力が気に入っていたようです。「岡江さん、ええのぅ。岡江さん、ほんとにええのぅ」と言い、オープニングの「おはようございます」から出社ぎりぎりまでテレビの前にいました。「はなまるカフェ観たいのにぃ・・・」と言いながら、未練たらたら玄関でもたもた靴を履いていました。でも、時間とともに熱は冷め、いつしか加藤浩次の「スッキリ！」に鞍替えしていました。
そんなつっぴ君が、ずーっと自然と毎週観ていた番組がありました。大好きだったというわけでもなさそうで、特に熱心に観ていたとも言えないのですが、その曜日その時間に家にいる限りは、つい観てしまっていたのです。それは日曜日の夕方１７時３０分、日テレで放送される番組でした。
